ツィンバロンのバチの手入れは、バチ先だけではない
この夏は、本当に蒸し暑いですね。
昨夜も、エアコンを切ると室温が34℃まで上がるという異常な暑さでした。
僕は演奏会が近くなると、バチ先の綿の量を加減して新しい硬さのバチを作ったり、糸が切れたバチを補修したりすることがよくあります。
でも、今の時期にやっておかなければならない、もうひとつの作業があるんです。
それが、バチの持ち手の手入れです。
今日は、バチの持ち手を一本ずつ手入れしました。
留学していたハンガリーやスロバキアでは、こんなことはなかったんですけどね…。
実は日本では、夏になるとツィンバロンのバチの持ち手部分に、白い粉のようなものが付くことがあります。
おそらくカビだと思うのですが、青や緑のいかにも「カビ」という感じではなくて、白く粉をふいたような感じです。
帰国して初めて見た時には、僕もびっくりしました。
何十本ものバチを密閉したケースの中に入れているので、やっぱり通気が悪いんでしょうね。
特に持ち手の部分に出ることが多いので、演奏中に手に汗をかいたまま、終演後そのままケースに入れてしまうことも原因のひとつなのかな、と思っています。
手は清潔にしているつもりなんだけど…。
そこで年に何度か、持ち手の部分を除菌ウェットティッシュで一本ずつ丁寧に拭いてやります。
そうすると、またきれいなバチに戻ってくれます。
ただ、少し心配なのが、持ち手部分にニスが塗ってあるバチも何本かあること。
あまり強く拭いてニスが傷んだり剥げたりすると、今度は持った時の感触が変わってしまいます。
ツィンバロンのバチというのは、同じように見えても一本一本、本当に個性があります。
しなり具合も違えば、重さも違う。
僕の手との相性もあります。
最初に持った時には、
「これはちょっと僕には合わないなぁ」
と思ったバチが、しばらく使っているうちに、いつの間にか一番使いやすいバチになっていたりすることもあります。
曲によっても違うし、その日の自分の感覚によっても違う。
だから演奏する時には、何十本もある中から「どれにしようかな」と、毎回けっこう悩みます。
今日も、そんなバチを一本一本、除菌ウェットティッシュで拭いてやりました。
こうして手入れをしていると、不思議なもので、一本一本にまた愛着が湧いてくるんですよね。
古いバチも、新しいバチも、それぞれに違った感触があります。
これからも僕の手に少しずつ馴染んで、いい音を出してくれるバチに育ってくれたらいいなぁ。
そんなことを思いながら、今日はバチの手入れをしていました。